「どうしたら算数や数学って得意になるの?」良く頂くこのご質問への答えを考えてみました。私は、「日常生活に潜む、算数や数学との繋がりを探してみること」ではなかろうかと考えます。
そもそも、算数や数学が人間の生活から生まれたものなので、当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、これが良いと思います。
身近な例ですと、「お菓子売り場」というのは教材の宝庫かと思います。ポップコーンだとこれくらい、ビスケットだとこれくらいなどと、枚数、重さや体積、値段などを見て、何人で分けられるかとか、100g当りどの栄養がどれくらい摂取できるかとか、100円でどれくらいの満足感を得られるか、などと考えるのは、『等しい関係』や『大小関係』、『割合』、『比例・反比例』など、算数や数学の基礎訓練と繋がります。また、トランプやウノ、花札などの「カードゲーム」は自然と『場合の数・確率』を感じることができます。「物の形を描いたり、大きさを測ったり」することは『図形』の学習そのものです。他にも、「料理の味見」は、一部を見て全体を知る『標本調査』と関わりますし、「ボールを投げたり、飛んできたボールをキャッチしたり」するのは直線や放物線などを考える『関数』や『微分・積分』と関わります。様々な物事が算数や数学と繋がるのではないでしょうか。
逆に、算数や数学の問題と向き合う時に脳内で起こっていることに目を向けますと、私の場合、「方針立て」、「根拠探し」、「作業」の三つが思い浮かびます。
「方針立て」は、こうなんじゃないか、こうだったらいいのにな、などと思いを巡らせる時間が該当します。「根拠」は、文章や数値を良く見て探すことになります。「作業」は、図や表に整理すること、数えること、測ること、計算することなどが当てはまります。
上の順に進行することもあれば、「作業」が先行したり、二つがほぼ同時に進行したり、途中で頓挫しやり直しを求められたりと様々ですが、上手く問題解決できた場合、この三つが良く機能しているように感じます。
したがって、この三つを含むものであれば、算数や数学の能力向上に貢献すると思います。先に挙げた例も勿論ですが、スポーツ、ゲーム、演奏、演劇、舞踊、歌唱、書き物、図画、工作、収集、読書、鑑賞、掃除、洗濯、料理、手芸、理容・美容、買い物、旅行、散歩、会話、すなわち身の周りのありとあらゆるものが教科書になり得るのではないでしょうか。方針を立て、根拠を探し、作業する場面がいっぱいありそうです。
このように、普段の生活を見つめ直してみますと、実は算数や数学と関わるものばかりだった、ということに気づくと思います。もし、算数や数学を得意にしたいと思われる場合、是非、日常の生活に、算数や数学が隠れていないか探してみてください。算数や数学が、「人が生きる」ということと強く結びついていることに気づけば、その味わいが各段に上がるように思うからです。
難しいことをする必要はなく、できそうなことや簡単なことから始めれば良いと思います。そして、そのような繋がりを見つけるためには、身の周りの一つ一つのことを、自分の目で見、自分の頭と体を使って経験することが大切かとも思います。
ひょっとすると、これまで算数や数学とは関係ないと思っていたものが、算数や数学を得意にするきっかけになるかもしれません。
