算数や数学は暗記科目か?

 皆さんは算数や数学が暗記科目かどうか考えたことはありますか?私の答えは「YesでもありNoでもある」です。暗記と言える部分もあれば暗記では無い部分もあるからです。例えば上の迷路を解くことを考えてみましょう。SとGの旗がスタートとゴール、実線は壁を表し越えてはならない、蛇や渦潮に接触してはいけない、という設定です。正解の道筋は見つかりましたか。

 

 ところで、この迷路が明日の試験で出されることが分かった場合、暗記は必要でしょうか?「いや、見たら分かるっしょ・・・」という人にとって暗記は不要でしょう。「渦潮が待ち受けるからAはダメ!」とか「右に3、下に1、左に2、下に6、右に1、上に2、右に1、下に2、右に4、上に5、左に2、上に1、右に3、下に7、左に8」と覚える必要がある、という人にとっては暗記でしょう。因みに私は、上述の「設定」を理解したり、この絵が迷路であることを理解するのは一種の暗記と捉えますが、迷路を解く行為は目や脳の運動で暗記ではないと捉えます。 

 結局、暗記か否かの違いは、何を暗記と呼ぶかの違い、解決の手段の違い、すでに記憶したか否かの違いであり、どのように捉えるかは「人それぞれ」ではないでしょうか。そして、「人それぞれ」であるがために、暗記という行為が、人によっては「Sを出発しGまでたどる迷路」と覚えることを意味し、人によっては「右3、下1、左2・・・」と覚えることを意味するとも思います。

 

 さて、「公式の暗記」とか「解き方を覚える」という言葉が、算数や数学の指導現場において度々聞かれますが、これらにも上の例と同じような、人による受け取り方の違いがあるように思います。もし、これらの言葉を言ったことがある、聞いたことがあるという場合、「暗記」「覚える」という行為が何を意味するのか、その行為が本当に必要なのか、改めて吟味してみてはいかがでしょうか。

 ひょっとしたら覚えるべきものを覚えず、覚えなくてもよいものや覚えられる訳のないものを一生懸命覚えようとしていた、ということが明らかになるかもしれません。私は、算数や数学は暗記科目か?という問いを考える手掛かりがこの迷路にあると考えます。

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